【完】宛先不明のラブレター
「ごめんね、…俺は行くよ。」
俺の言葉を聞いて、俯いて何も言わない果枝ちゃんをこれ以上見ていたくなくて、俺は立ち上がって歩きはじめた。
…ごめん、受け入れてあげられなくて。
ごめん、こんな言い方しか出来なくて。
…ごめん、ね。
ふぅ、と息を吐いて、思わずこぼれそうになった涙を堪えた。
…帰ろう。茉莉が待ってる。
もう、果枝ちゃんには会えないかもしれない。
いや、あんなに酷いことを言ったのだから、果枝ちゃんだって、俺に会いたいとは思わないだろう。