【完】宛先不明のラブレター
気付いたら、茉莉のことばかり考えていた自分が、果枝ちゃんのことを考えることが多くなっていた気がする。
まるで、初恋をした中学生のように。
ずっとずっと、会っていない間も、果枝ちゃんのことが頭から離れなくて。
今日はこのことを話そう、とか、何をしてても頭に果枝ちゃんの存在があった。
…前は、その対象は、茉莉だったというのに。
どうして今更、彼女に出会ってしまったのだろう。
こんなに恋焦がれる想いを、どうして今更、俺は知ってしまったのだろう。