【完】宛先不明のラブレター
「…いるわけないのにな……」
いつものようにココアとコーヒーを手にして、高台の広場へと向かっている自分に苦笑いをこぼした。
…いないとわかっていても、俺はこうしていつものように彼女のためにココアを買って、広場へと向かっている。
「…果枝、ちゃん?」
「!!」
ベンチに見えた人物にそう声をかけると、俺の声に反応して、俯いていた顔を勢いよくあげた人物は、果枝ちゃんだった。
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