【完】宛先不明のラブレター
向こうも、信じられないというような顔で俺を見ていたけれど、きっと俺の方が信じられないという顔をしていたと思う。
…もう、会えないことを覚悟していたのに。
「さと、るさ……」
果枝ちゃんが俺の名前を口にしたのを聞いて、思わず泣きそうになってしまった。
それをぐっとこらえて、冗談まじりに口を開いた。
「…もう来ないと思ってたよ」
「それはこっちのセリフです。」
「…ココア、飲む?」
「はい、…ありがとうございます」