【完】宛先不明のラブレター
果枝ちゃんにココアを手渡して、いつものように果枝ちゃんの横に腰掛けた。
缶コーヒーに口をつけ、喉を潤す。
ほんの少ししか会話してないというのに、ひどく緊張した。
緊張のせいで、喉がガラガラだ。
…昨日までどうやって果枝ちゃんと喋っていたか、思い出せない。
「…あのさ、」
「なんですか?」
沈黙が気まずくて、とりあえず何か言わないと、と思って口を開いたはいいものの、俺はその先を考えていなかった。