【完】宛先不明のラブレター
「いや、ほんと。 酒は飲めるけどね、一応。かなり強いからみんなで飲むとか嫌なんだよね」
「なんで?」
「最後までまともだと大変なんだよ、うん」
「?」
「果枝ちゃんは酔ったら豹変しそうだよね」
「なっ! しないよ、!」
こうやって、どうでもいいような話をして、笑って。
そんな時間を、好きになっていたし、楽しみにしていた。
彼のことを知れる度に喜びを感じたりする自分がいることにも、気付いていた。
これが恋なのか憧れなのか、ただの興味本位なのかはわからない。
けど、彼といることに嫌な気持ちはわいてこなかった。