【完】宛先不明のラブレター
「俺、果枝ちゃんから見れば立派なオジサンじゃない?」
「そんなことないですよ」
即答してくれた果枝ちゃんに、思わず笑いそうになった。
…初対面でオジサンって言ったのは誰だっけ?
なんて意地悪なこともいいそうになったけれど、その言葉を飲みこんで、会話を続けた。
「…そうかなぁ、だって8歳くらい違うよね?」
「…そうですね」
声のトーンが少し下がった果枝ちゃんに気付いていながらも、
果枝ちゃんが俺のどこを好きになってくれたのかが気になって、その気持ちを優先してしまった。