【完】宛先不明のラブレター
「それに、俺が何をしているとかも知らないじゃない?」
「…まぁ、」
「だから気になるというか、…その、」
俺に寄ってくる女は皆、俺の『外側』しか見てなかった。
顔や、今で言うなら将来は医者になる、という『特典』みたいなものを見て近寄ってきている女が多い。
俺の『中身』を見てるのではない。
俺をブランド品と同じようにしか見ていないような女ばかりだ。
…その中で、茉莉だけが違っていた。
そしてきっと、果枝ちゃんも。