【完】宛先不明のラブレター

_#5 恋人



「…果枝」

「ん、何?」

「…なんか、どこにも連れてってあげられなくてごめんね。」

「…別にそんなこと気にしなくていいのに」


そう言って、果枝は笑った。




…わかってる。

本当は、どこかに一緒に行くことを望んでいることを。


でも、俺はなかなか休みが取れなかった。

正確には、果枝の休みに合わせて休みを取ることが出来なかった。


…こういうとき、自分が果枝と同じ学生だったら、とよく考えていた。

考えても仕方のないことだし、果枝はそれを承知で一緒にいてくれるんだけど。


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