【完】宛先不明のラブレター
俺達は、付き合ってからもこの高台の広場以外で会ったことがなかった。
…それでも俺は幸せだったけれど、果枝は、満足していたのかな。
「まとまった休みとか取れればいいんだけどね」
「いいよ、…っていうか、取れたとしてもさ…」
果枝が言いたいことはすぐにわかった。
果枝は、いつも俺の妻…茉莉のことを気にしていた。
俺以上に、バレたりしないように気をつけていた。
いや、俺はほとんど隠そうとしていなかったかもしれない。