【完】宛先不明のラブレター


果枝は俺の言葉には答えず、俺の顔をじっと見てきた。

何かを考えているようで、俺を見つめたまま、ぴくりとも動かない。


そして、いきなり盛大にため息をついた。




「…はぁ。」

「何でそこでため息?」

「…別に聡のことでため息ついたわけじゃないよ」

「じゃあ何で?」


俺の問いに、果枝は言葉を詰まらせ、視線を泳がせた。


< 236 / 391 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop