【完】宛先不明のラブレター
俺がそう言うと、茉莉がくすくすと笑いながら俺のスーツをハンガーにかけて、クローゼットにしまっていた。
…なんだか、最近茉莉は俺の顔色を窺っているような気がする。
こうして笑っていると普通に見えるけれど、しん、と静まりかえったときとかに、俺の瞳を見て俺を探っている気がする。
…考えすぎかもしれないけれど。
「…茉莉」
「ん、何?」
「何かあった?」
俺がそう問いかけると、茉莉は困ったように表情を歪めた。