【完】宛先不明のラブレター
「…私そんなにわかりやすい?」
「…いつもと違う、ってくらいは、さすがにわかるよ」
「そっか…そうだよね、聡に無理したってバレるに決まってるよね」
そう言うと、茉莉は俺の胸に飛び込んできた。
そっと、茉莉の背中に腕をまわし、背中をさすってあげると、茉莉は俺の胸に顔を押し付け、声を押し殺して泣き出した。
「っ、さ、とるはっ、」
「うん?」
「聡は、っ、どこにもいか、行かない、よねっ…?」
「…行かないよ」
「ずっと、ずっと、私といてくれるよねっ?」