【完】宛先不明のラブレター
まるで小さい子供のようにそう言ってくる茉莉に、俺は言葉を一瞬詰まらせた。
…もしかして、茉莉は果枝といる俺を見てしまったのだろうか。
だから、こんなこと言うのだろうか。
…わからない、けど、ありえない話ではない。
「…うん、急にどうした?」
とりあえずそのまま優しく茉莉に聞くと、茉莉は俺にしがみついて首を横に振るだけだった。
…泣きじゃくる茉莉を見て、俺は罪悪感に心を支配されていた。