【完】宛先不明のラブレター
「サイッテー……受け入れてくれるとまでは思ってなかった、けど、…否定なんて、されたくない」
「…果枝ちゃ、」
「“大人だから”?“年上だから”? …だから、何?あたしの何がわかるっていうの?」
「……」
「あたしは、聡さんのことを好、…?」
ふわっと、顔を温かい大きな手で包み込まれた。
それに反応して、顔を上げた。
「…果枝ちゃんは何もわかってないよ。」
「…そうかも、しれないけど、」
「どうして、……」
「? 聡さ、」
「どうして、果枝ちゃんに会っちゃったんだろうね」
悲しそうに微笑む聡さんに、あたしはこの時初めて不安を抱いた。