【完】宛先不明のラブレター


「…じゃあ、ホテル行く?」

「…うん。」


俺の問いかけに頷いた果枝を一旦離し、立ちあがって果枝の手を掴んで立たせ、そのまま歩き始めた。


よくよく考えてみると、果枝と並んで歩くのはこれが初めてだった。

初めて一緒に歩くのが、ホテルに向かうためだなんて。

思わず心の中で苦笑した。




…あ、茉莉に今日は帰れないと連絡をしておかないと。


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