【完】宛先不明のラブレター
「…なに?」
「親に友達の家にでも泊まるって連絡しとけよ」
「あ、うん」
果枝は俺の手を離し、携帯を取り出してメールを打っていた。
…速っ。
果枝のメールを打つ速度に思わず感心してしまった俺は、やはりオジサンなのだろうか。
そんなことを考えつつ、俺はふと今日の自分の服装を見た。
いつもスーツを着ているわけではないので、今日はスーツではなく普段着だった。
…これでスーツなんて着ていたら、確実に援助交際のように見えていただろう。
危ない。