【完】宛先不明のラブレター
スーツを着ていなくても、横を歩く果枝は高校生で、俺は社会人。
年の差は、8歳。
はたから見るとどう見えるんだろう、とふと思った。
横を歩く果枝は、そんなことを気にしている様子ではなかったけれど。
「…ここでいい?」
目についたホテルを指差した。
…ラブホにしようかと思ったけれど、果枝は“初めて”だからと歩いていて考えていた。
女の子は、初めてって大切だろうし。
お金はそんなにないけれど、このホテルの一泊料金くらいは持っている、はず。