【完】宛先不明のラブレター
昨日から様子がおかしいと思っていたけれど、果枝は一体何を考えているんだろう?
何をそんなに抱え込んでいる?
「…聡。」
果枝の表情を窺っていると、果枝に呼びかけられた。
果枝は、さっきまでの笑顔とは違って、今にも泣きそうな顔をして、無理矢理笑っていた。
「ん?」
「…ありがとね、」
それは何に対して?
…そんな疑問が頭をよぎったけれど、考えないことにした。
「…いや、てか初めてなのに…その、何度もごめん」
「ううん、…まぁ、それもあるんだけど」