【完】宛先不明のラブレター
頭のすみで、このあとの展開が予想できてしまう自分が嫌だった。
無理矢理考えないようにして、目の前の果枝の様子を窺った。
果枝の瞳には相変わらず俺が映っていて、きっと同じように俺の瞳にも果枝が映っているんだろう。
果枝の瞳に映っている俺は、不安でいっぱいの顔をしていて、かなり情けない表情をしていた。
…こんな顔、したくないのに。
したくないのに、笑うことも出来ない。
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