【完】宛先不明のラブレター
その瞬間、果枝の腕を掴んでいた手の力が抜けた。
「…もう、こんな関係やめよう? やっぱり、…よくないよ。」
「いきなり何言っ「もう、辛いの。」
果枝の言葉を信じたくなくて、悪あがきとして言おうとした言葉は、果枝の言葉に遮られた。
思わず、耳を塞ぎたくなるような、現実がせまってきていた。
「…この関係を続けることが、辛いの」
果枝の言葉に何も言えない俺を見て、果枝は涙をこらえたまま言葉を紡いだ。
「…別れよう?」