【完】宛先不明のラブレター

_#1 運命



あたしは走っていた。

何処へ行くなんて決まってない。

目的もなく、ただ走っていた。


周りに流れていく景色と共に、時々物珍しそうにあたしを見る通り行く人、人。

夕方の商店街は人で溢れかえっていた。




「はぁっ、…っ、はっ、」


息を整えるためにベンチに腰掛けた。

心臓の音がうるさい。口の中が鉄の味。

…気持ち悪い。


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