【完】宛先不明のラブレター
だから、果枝をいつでも思い出せるように、この目に、頭に、焼きつけておこう。
「……じゃあ、」
着替え終わって、俺に背を向けて立ちあがった果枝の後ろ姿を見つめた。
…本当に、これでお別れなんだな。
そう思った瞬間に、俺の口から言葉がするりと出た。
「…また、いつか。」
最後だって、わかっていたはずなのに。
でも、それでも。
またいつか会えるって、思いたくて。
…俺の最後の悪あがきだった。