【完】宛先不明のラブレター
…自業自得なのに。
茉莉と別れることを、俺は悔やんでいるんだろうか。
「…ねぇ、聡」
「…?」
「私に悪いと思っているなら、幸せになってね。絶対。」
小指を俺の方に向け、茉莉はそう言った。
差し出された茉莉の小指に自分の小指を絡めながら、俺は頷いた。
…小さい子が指切りするように、茉莉は小指を絡めた状態で手を上下に動かした。
けれど、いつまでも指切りの歌を歌うことはなかった。
…茉莉は、俯いて俺に見られないようにしながら、泣いていた。