【完】宛先不明のラブレター


「汚いけど、どうぞ」

「お邪魔しまーす…」


ふと、

この家に、誰かを入れるのは初めてだっけ、と思った。


茉莉と一緒に住んでいた頃も、俺がひとりになってからも、他人を家へ呼ぶことはなかった。

茉莉は、俺のいない間に呼んでいたようだったけれど。




離婚してすぐに、今住んでいる割といい雰囲気の賃貸マンションに俺は引っ越した。


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