【完】宛先不明のラブレター


割といい雰囲気で、家賃は安め。建物自体も新しかった。

オートロックもあって、防犯設備もそこそこ整っていた。


そんな10階建てのマンションの9階に、俺は今住んでいた。




「そこ、座って。…飲み物、これでいい?」


コンビニの袋を果枝に見せると、果枝は笑顔で頷いた。

果枝をソファに座らせてからココアを渡し、果枝の横に腰掛けた。


缶コーヒーのクチを開け、一気に半分くらい喉に流し込んだ。

緊張しすぎなのか、コーヒーの味は全くわからなかった。


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