【完】宛先不明のラブレター
コトン、とソファの前に置かれているテーブルの上に、果枝は持っていたココアの缶を置いた。
俺もつられてコーヒーの缶をテーブルに置いた。
…それを合図に、果枝が俺の胸に飛び込んできた。
果枝の背中に手をまわし、抱きしめた。
夢じゃない、んだよな。
果枝の肩に額をこつん、とあて、果枝の温もりを感じる。
…現実だ。
「…もう、我慢出来ない」
「……うん」
俺がそう言うと、果枝はちらりと辺りを見回した。