【完】宛先不明のラブレター


その様子を見て、なんとなく果枝の気持ちがわかった。

…多分、当ってると思うけど。




「…一応言っておくと、ここは茉莉と別れてから住み始めた家だから、茉莉の気配なんてひとつもないよ」

「……、」

「ベッド、行こ?」


俺の顔を見、少し恥ずかしそうに頷く果枝の手を引いて、寝室に連れていき、静かにベッドに押し倒した。




…3年前と、同じ光景。


俺の下に、果枝が居て。

少し顔を赤らめ、熱っぽい瞳で俺を見てくる、果枝。


愛しい存在。

…俺の、果枝。


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