【完】宛先不明のラブレター
立ち上がってそのまま動かないあたしに気付いて、裕太は不思議そうな顔をして振りかえった。
「ごめんね、あたしのこと探してたんでしょ?」
「ん?…あぁ、探すって言っても、最初からここにいるだろうなって思ってたから探してはいない。 だからどっちかっていうと、おむかえ?」
「あたし、小さい子供じゃないから」
「じゃあちゃんと時間通りに帰れよー。小さい子でも守るだろこれくらいー?」
「守ります-だ!」
「うっわ、可愛くねー。」
べー、っと舌を出して反抗。
…あたしってほんと可愛くないなぁ、なんて内心思いながらもやめられず、結局素直に裕太にお礼は言えなかった。
まぁ、いつものことなんだけど。