【完】宛先不明のラブレター


聡さんも身動きひとつせずにあたしを見てくる。

恥ずかしいとかそんな感情が心に浮かぶよりも先に、あたしの心は『苦しい』と泣き出した。


…そう、心が。




彼に見られるのが、

切なくて、悲しくて、苦しい。


こんなに近くにいるのに、『対象物』としてすら見てもらえないなんて。

…それって、あんまりな話じゃない?


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