【完】宛先不明のラブレター
「…あたし、純粋なんで嘘とかつけないんですよ。」
「…ふは、そこで純粋か、」
「な、ちょ、笑うことないじゃないですか!」
ぺしっ、と軽く聡さんの腕を叩くと、それに反応して、笑っていた聡さんがいきなり…あたしの手を、ぎゅっと掴んだ。
ドクン、と心臓が脈打つ。
「さ、さとるさ…?」
呼びかけた、次の瞬間だった。
ぐいっと手を引かれて、あっという間に聡さんの腕の中に納まる。
聡さんの心臓の脈打つ音が、耳元で聞こえる。
「…果枝ちゃん、」