【完】宛先不明のラブレター


「…あ、…じゃあ、」

「うん。また明日ね。」

「うん、…明日。」


送る、という彼の優しさをいつもやんわりと断って、あたしは家へ向かう。

いつもなら軽い足取りも、今日は重い。




「…果枝」

「? 裕太?」


1人で歩いていると、前方から呼びかけられた。

あたしの家の前に立っていた人物から。


…声の主は、裕太だった。


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