【完】宛先不明のラブレター
「だからたとえ隣だからって、危ないだろ」
いつものようにふざけて言っているようではなく、目が真剣だった。
これ以上言っても無駄なようなので、おとなしく裕太の言う事を聞くことにした。
「…わかった。で、どんな話?」
「…その時話す。…じゃ、来れる準備出来たらメールちょうだい。」
「りょーかい」
裕太の口ぶりから、真剣な話なのであろうことは予想できた。
…裕太の恋の相談かな、なんて考えながら、家に入っていく裕太を見送った後、自分も家に入った。
この後、自分の人生が左右されるような出来事が起こるなんて、想像もせずに。