【完】宛先不明のラブレター
高台病院は、この辺りでは1番大きな病院だった。
…冷静に考えてみれば、会っていたって不思議ではない。
なんて1人で納得していると、裕太が言いずらそうに、でもしっかりとあたしの目を見て、
「あの人、結婚してるの知ってんの?」
…現実を、突き付けてきた。
「…、知ってる」
「…それって…」
「…わかってる、わかってるよ。 …あたしがしてることがどれだけいけないことか、なんて。」
そうだ、わかってる。
わかっているからこそ、辛いのに。
「……だから、叶わないって言ったのか?」