【短編】《警告》
・・・あれから一年。
俺はずっと逃げ続けている。
何故こんな事に
なってしまったのだろう?
男が言いたかった事とは
何なのだろう?
考える事は山程ある。
しかし、いくら考えても
どれも答えは出なかった。
そんな事を思った時だった。
俺の目に
信じられない光景が
飛び込んで来たのだ。
目の前を俺が歩いている。
一年前と全く同じ服装の俺が、
同じように
駅の近くを歩いていたのだ。
「まて!」
俺は俺に向かって叫んでいた。
今なら、男の
最後に言おうとした言葉が
何なのかわかる。
何とかして
それを伝えなければ…
何とかして
俺を止めなければ…