僕らの太陽


家に帰る途中遥に声をかけられた。


「一緒に帰ろう?」


「いいよ」


「私の家ね、たっくんと同じ方向なの」


「そうなんだ」


遥が話してくれても俺は緊張して冷たい返事しかできなかった。


「遥!」


「あっくん!」


「今日帰るの早いよ」


「あっくんが友理(ゆり)ちゃん達と話してるからでしょ?」


「だって友理が・・・」


「知らない!」


遥がやけに怒ってるように見えた。

その時は嫉妬なんて言葉まだ知らなかったから。

怒ってるって表現しかできなかったんだ。

自分の心のモヤモヤもただ気持ち悪いだけなんだとしか思わなかった。


< 2 / 6 >

この作品をシェア

pagetop