シンデレラへの軌跡
通された席は窓側。
「真央、気づいた?」
「ん?」
美紀の一重のきれいな目で見つめられる。
あれ?ちょっと顔が赤い?
「ここの店員で、気になる人がいるの」
ひとことだけつぶやいて俯く美紀。
「いらっしゃいませ、メニューをどうぞ」
黒髪のサラサラな髪が印象的な
ウェイターさんが、お水とメニューを
持ってきてくれた。
「ありがとうございます!」
どんなときでもにっこり笑顔。
いまの私のモットー。
ウェイターさんがにっこり笑顔で
返してくれて、
「お決まりになりましたら、
およびください。」
と、お決まりの言葉を掛けてくれた。
おしゃれなパスタ屋だけあって、
ウェイターさんも清潔感のある
笑顔の似合う人だなぁ思いつつ、
メニューを広げてみた。
「真央、気づいた?」
さっきより真っ赤な顔をしている美紀。