満月の夜
「それでは、行ってまいりますお父様」


「あぁ、気をつけて」


ニャァ~


「行って来るわねシャルミー」


「「「行ってらっしゃいませお嬢様」」」


お父様にシャルミー、家に仕える執事とメイドに迎えられ私は学校へ向かった。



学校へは、送り迎えのリムジンでいつも登校する。


「朝なのに、今日は月が綺麗ですねお嬢様。」


「…えぇ…そうね。」


窓から見える空に昇る月は、朝方だというのに はっきりとした満月だった。


「(これが、夜になると赤い月になるのね…)」





夜が訪れれば…






私は魔界に乗り込む







そして、





母と兄を奪ったあいつを











殺す。










だから…












今日が人間界での
最後かもしれない…。
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