満月の夜
樹梨亜の席は窓側 外に視線をやり 空に浮かぶ満月を 睨んだ


その光景を 新が見ていたなんて 樹梨亜は気づいていなかった。


「おはよう ホームルーム始めるぞ」


教室に先生が入って来て 朝のHRが始まった。

 HRが始まっても 空を見上げる樹梨亜


「なぁ 樹梨亜」


「何?新」


隣の席の 新が不振に思ったのか声をかける 樹梨亜は視線はそのままで 声で応える。


「外に 何かあるのか?」


「空…月」


朝には珍しい 綺麗な満月がね。


「月ねぇ…」


そう呟いくと新は黙りこんでしまった


まだ赤月までには時間がある。 だが半吸血の樹梨亜には 体の芯から込み上げてくる 魔力を静かに感じていた。


 
< 7 / 13 >

この作品をシェア

pagetop