満月の夜
キーンコーンカーンコーン
「起立、礼」
やっと90分間の授業が終わり20分の休み時間。
この学園は、授業時間が長い分休み時間も長くなっている。
「樹梨亜~♪」
「鞠…」
休み時間になる度に 樹梨亜に話しかける鞠。
こんな可愛いくて美人な子に話しかけられて 悪い気はしないだろう。
「次、体育だから 移動しよう。」
「分かったわ」
「女子は確か バレーだったよな?」
「そうだよぉ。今日は試合するんだ♪まぁ 樹梨亜と同じチームだから勝敗は見えてるけどねvV」
樹梨亜の腕に手を絡めて 新にブイサインをする鞠。
「新 俺らも隣のコートでバスケだぜ。 移動しようぜ」
「そうだな。どうせ光輝と一緒なんだから 負けはあり得ねぇな」
「だな」
笑い合う学園1の美男子二人。
クラスの女子が一斉に赤くなった。
「私 そろそろ行くから ケガしないように…」
早くこの場から 抜けたくて 樹梨亜は鞠を忘れて教室を出た。
どうせ もうすぐ
死ぬんだ。
そしたら 鞠や新や光輝にも
会えなくなる…。
あまり 傍にいたくない
決意が 鈍ってしまう…。
この日を ずっと待っていたんだ
今さら 後戻りはしない。