【企】真夏の夜に、君に溢れる想いを
ぼやけていく視界。
少し照れくさそうに笑う、ワタルくんが見えた。
何期待してたんだろう……
そうだよ……
ただ、朝の電車で話してるっていうだけの関係じゃない。
アドレスも何も知らないし。
格好良いから彼女だって、すぐにできるだろうし。
彼女がいないからって……
最近仲良くなったからって、何期待してたんだろう。
「優菜?」
2人の心配する声。
「ごめん、大丈夫だよ!よかったー、まだあんまりワタルくんのこと知らない時で」
そう笑って、そろそろ帰ろっか、って言った。
早く帰らなきゃ、本当に泣きそうだったから。
本当は……
もうスキで仕方がないよ……