Treasure!
翌朝。

俺は早起きしていつもの修練を始めていた。

朝日を浴びた港町。

海は今日も穏やかで、さざ波の音に誘われるように、漁師達が漁の準備を始めている。

それを眼下に見下ろす岩壁で、俺は型稽古を続ける。

「よぉー坊主!精が出るなぁ!」

船を出航させる漁師が、船上から俺に声をかけてくる。

それに軽く笑みを返して、俺は座禅を組んだ。

…この瞑想という奴は、体内を巡る『勁』の流れを掴む修行に非常にいいらしい。

暇さえあれば、俺は瞑想にふけるようにしていた。

もっとも、そのまま居眠りしてしまう辺りは修行不足だけど。

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