Treasure!
修練が一通り終わる頃。

「相変わらず早いわねぇ…」

寝癖もバッチリつけたまま、ティアが起きてくる。

寝ぼけ眼を擦りながら、断崖を削って作られた港町の風景を眺める。

淡い色の壁に、赤い屋根の建物で統一された、風光明媚な港町。

断崖を昇った先に大通りがあり、朝早くから賑わっている。

崖側にあるのは全て宿屋だ。

どこの宿屋に宿泊しても、海が一望できる。

「いい街ねぇ…このまま住み着いてしまいたいくらいだわ…」

ティアが穏やかな笑みを湛えて言う。

それについては俺も同感。

でも、俺達にはトレジャーハントという目的がある。

「そろそろ朝飯済ませようぜ。飯が済んだら出発しよう」

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