Treasure!
宿の朝食…クロワッサンとコーヒー、半熟の目玉焼きを食べて、俺達はチェックアウトする。

「さてと…ここからどこへ向かうんだ?」

「そうねぇ…」

港町の出口に掲げられた周辺地図を見ながら、ティアが腕を組む。

北に向かえば森林地帯が広がっている。

東に向かえば砂漠が続き、やがて海へ。

海沿いに存在するのは、ロサンゼルス遺跡と並ぶ世界有数の巨大遺跡、ニューヨーク。

ここにある『エンパイアステートビル』は、現在では踏破した者が数少ない巨大な塔であり、ここを踏破し、屋上に名前を刻み込むという事は、冒険者として名誉な事と言われている。

「いいね…エンパイアステートビルね…」

何だかウズウズしてきて、無意識のうちに尻尾が機嫌よく動いている自分がいた。


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