Treasure!
「といっても」

ティアがホームの向こうに視線を向けた。

「大した距離じゃないけどね」

「……」

ティアの見ている方に、俺も自然と目を向ける。

ホームから見える、天に突き刺さらんばかりの巨大建造物。

ロサンゼルス遺跡でもデカイ建物は見てきたけど、あの巨大建造物は群を抜いて大きかった。

まさに巨大な塔だ。

「あれがニューヨーク遺跡で最大の建造物…エンパイアステートビル…私達がこれから向かう場所よ」

そう呟くティアの表情が強張る。

あの塔がどれだけ気を引き締めてかからなければならない所なのか。

彼女の顔を見れば一目瞭然だった。

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