Treasure!
男の目を閉じさせ、ティアは俺の顔を見る。

「どう思う?」

「どうもこうも…ゴキブリ野郎の考える事なんてわからないさ」

俺は吐き捨てるように言う。

人類が滅亡し、俺達エイプが誕生した時には、既にローチ達はこの地上に存在していた。

俺達エイプは生まれた時から、この地球の支配権を賭け、ローチ達と壮絶な戦いを繰り返しているのだ。

「私…ローチ達は何らかの理由があって、古代遺産を集めているんじゃないかって思うの」

ティアの仮説も、今回ばかりは外れのような気がした。

ローチは所詮ゴキブリからEウイルスによって進化した種族だ。

知能はエイプに及ばない。

今回盗賊団として古代遺産を集めているのだって、何の脈絡もない行動だと俺は思っていた。

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