Treasure!
「しっ!」

俺は立ち止まり、人差し指を立てた。

…ティアも黙り込み、静まり返った建物内。

その建物内に、音が微かに響く。

…カサカサ…。

…カサカサカサカサカサ…。

壁を、床を、天井を。

何かが這いずる音。

素早く、大きな音を立てず、気づかれないように。

侵入者特有の、そして『奴ら』特有の足音が、建物内に響く。

音は、下の階から聞こえてきていた。

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