Treasure!
俺の体のそばをマチェットが通り過ぎる度に、大型の猛禽類の羽ばたきのような、不気味な風切り音が聞こえる。

重さと切れ味が両立した、強烈な刃である事の証明だった。

一撃でも食らえば致命傷だ。

…女もまた、攻撃が命中しない事に苛立っていた。

「その動き、初めて見るけど…中国拳法って奴ね」

「!」

何でコイツ、中国拳法の事を知ってる?

女の言葉に俺は一瞬動きが止まる。

その隙を彼女は見逃さなかった。

「そこっ!」

渾身の力を込めた、女のマチェットでの一撃!

分厚い刃が俺の胴目掛けて襲いかかる!

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