Treasure!
俺はそれを。

「なっ!?」

女の驚いている目の前で受け止めた。

右の肘と右の膝で、挟み込んで刃を止める!

本来ならば相手の拳や蹴りを受け止めると同時に破壊する、中国拳法の技だ。

「お前、中国拳法の事を知っているなんて…何者だ?」

「……」

マチェットを握る女の力が、途端に緩んだ。

「一流のトレジャーハンターなら、その程度の知識は当然よ。そして一流のハンターは、遺跡を荒らす事よりそのままの状態での保存を第一に考えるの」

『盗賊や三流と一緒にしないで』

女は遠回しにそう言っているようだった。

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