Treasure!
半ば強引に俺に押し付ける形で、少佐達はライセンスを手渡して帰っていった。

古代遺産奪還の褒賞金については、後程送られてくるとの事。

「やるって言うんだからもらっておけばいいのよ」

ティアが俺の肩をポンと叩く。

「これで君も私と同じトレジャーハンターね」

「…ああ」

何だか嬉しいような、むず痒いような、不思議な気分だ。

「あ、そうだ。だったらトレジャーハンターらしく、装備品も整えないとね!」

そう言って彼女は、ずだ袋の中から自分のお古の装備品を引きずり出した。

白の半袖Tシャツ、茶のカーゴパンツ、ショートブーツ、ブットパック。

俺は武器は扱わないので、拳を痛めないようにとオープンフィンガーグローブ。

戦闘で使わなくても、持っておけば何かと便利だという事で、ナイフも一本持たされた。

「まずは格好から入らないとね」

何故かティアは妙に満足そうだった。


< 197 / 372 >

この作品をシェア

pagetop